架空チームの成績計算1 得点と失点

2020年7月16日

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ルール解説

 

架空チームの編成では、架空チームのイニングや打席に、現実世界の選手の成績をあてはめました。この色んなチームの色んな選手から寄せ集めた成績から、架空チームの成績を求めます。寄せ集めの成績なので、攻撃と守備の成績を9イニング分ずつ切り出して、1試合ずつ勝敗を決める・・・というようなやり方はちょっと無理があります。プロ野球POGでは初めにシーズンを通してのチーム総得点とチーム総失点を予想し、次に総得点と総失点からチームの勝率を求める、というやり方をします。

XRで得点を予測する

セイバーメトリクス指標の一つに、XR(Extrapolated Run)があります。これは打者の総合的な得点創出能力を表すもので、単打や本塁打、併殺打、四球、盗塁、犠飛、三振など、様々なプレー結果の計数値に係数を掛けて求めます。XRの各係数は、対応するプレーの平均得点価値を表していると考えられ、チームの全打者のXRの合計が、そのチームの総得点とほぼ等しくなります。

プロ野球POGでは、データスタジアム社の日本版XRを参考にして(勝てる野球の統計学――セイバーメトリクス (岩波科学ライブラリー))、日本野球機構の公式記録を使って各打者が創出した得点価値を求めることを考えます。本来のXRで使う項目と日本野球機構の公式記録の項目は完全に一致しないので、一部修正した下表を使います。

安打二塁打三塁打本塁打盗塁
0.4980.3120.4020.9580.202
盗塁刺犠打犠飛四球故意四球
-0.4820.0000.5050.332-0.165 
死球三振併殺打打数-安打-三振
0.332-0.105-0.374 -0.105

上の表の係数(得点価値)が本当に妥当なのか確認するために、2013年~2017年のセパ12球団の記録を使って、実際のチーム得点と上記係数を使ったチーム得点予測を比較してみました。

かなり良い精度で得点を予測できることが確認できました。

XRで失点も予測してみる

XRで得点を予測できたのだから、裏返せば失点も予測できるはず。という訳で、XRをベースに投手と守備の公式記録から失点を予測することを試みます。下表を使います。

安打本塁打四球故意四球死球
0.5640.8920.332-0.1650.332
三振打者-安打-四球-死球-三振併殺エラー
-0.105-0.105-0.3740.628

併殺、エラーは守備成績、それ以外は投手成績です。投手成績には二塁打、三塁打の項目が無いので、平均が同じになるように安打の係数を調整しています。また、エラーの項目はXRにはないので、最小二乗法で実際の失点に合うよう調整しています。得点と同様、失点も2013年~2017年のセパ12球団の記録を使って実際と予測を比較してみました。

失点も十分予測できそうです。

投手の能力評価に用いられるセイバーメトリクス指標として代表的なものにFIPがあります。FIPはDIPS(Defense Independent Pitching Statistics)という考え方に基づいており、純粋に投手の責任で決まる要素(被本塁打、奪三振、与四死球)だけで能力を評価します。しかしここでのチーム成績計算ではFIPと違い投手の被安打数、故意四球もチーム成績算出に使っています。

不運なヒットを打たれた投手もいれば、守備のファインプレーに助けられた投手もいます。こういった運不運の要素を排除しようと思えば、FIPベースでチーム成績を算出する方法が考えられます(フィールドに飛んだボールに一定の割合を掛けて被安打数の代わりに用いれば、FIPでの評価と同じになります。参考:BABIP) 。しかしこういった運不運の要素も含める方がゲームとしては面白いので、プロ野球POGではあえて投手の被安打数も使ってチーム成績を算出しています。

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