最近読んだ本たち

ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ

バッタや昆虫の話が沢山書いてあるのかと思ったら違った。「研究者」として生きるって(ちょっと特殊例な部分もあるだろうけど)こんな風なんだ!という発見や、モーリタニアってこんなところなんだ!という紀行文のような楽しさ、一人の青年がいろんな人に出会って進んでいく成長物語な趣もあったり、いろんな方向で予想とは違う楽しさがいっぱいある本だった。所々に的確かつ脱力系な言葉の解説があり、箸休め的に良い感じだった。

オノマトペの謎――ピカチュウからモフモフまで

これは楽しめる人と楽しめない人で真っ二つに分かれる本でしょうね。オノマトペの音には規則性がある!とか、「キンキン」の使われ方の変化、様々な言語のオノマトペ事情、幼児言葉とオノマトペ、などなど私的には思わず人に話したくなるような話題が満載だった。オノマトペの感じ方は人類共通な部分があって(ブーバ・キキ効果)、オノマトペの音とそれから受ける印象のデータベースが頭の中にあるようだ。そういう、言語なのに身体的なところがあるのがオノマトペの魅力かなと思う。

知りたい!ネコごころ

最近猫を飼い始めたのだが、犬と違って猫は何を考えているのかよくわからん!という訳で買った本。気まぐれ&身勝手な猫を相手に、科学的なアプローチで猫のキモチを調べる話で、結論よりも様々な工夫を凝らして研究する様子が面白い本だった。

クオリアと人工意識

「私の感じる青と他の人の感じる青は違うかもしれないんだよ」というようなことを娘が言った。それはクオリアといってね・・・と話そうかと思ったが、うまく説明できないし話も盛り上がらないだろうなと思って話すのを止め、その代わり(?)に買った本。人工知能AIが発展した未来には「意識」をもったロボット(ex.ドラえもん)がいて・・・というのはSFの定番だが、この本は人工知能の「知識」の先に「意識」が創発されることはないだろう、という話題を軸に、「意識」「クオリア」について説明してくれます。どうやってもわかりやすくならない「クオリア」の説明を、素人相手に逃げずにわかりやすくないまま丁寧に説明してくれるというとても良い本です。あと、エピローグが大どんでん返し、ではないけど「おおっ!」となりました。