OMGのSysML Model Builder Advancedを受けてみた。
これは自分史上最もお金の掛かった記事といえます。タイトルの通り、OMG 認定資格試験SysML Model Builder Advanced (SysML MBA)を受けてみました。しかも2回も落ちて、3回目にやっとパスした。
この試験、とにかく人気が無いみたいで、世間に殆ど情報が出回っていない。なのでどんな問題が出てくるのか試験を受けてみないとわからなかった。こんな試験を受ける物好きはかなーり少ないと思いますが、そのごく一部の人の役に立てればということで、私の経験談を残しておきたいと思います。
試験に向けて資料や本は何を読んでおけばいいか?
Model Builder Intermediate (SysML MBI)まではA Practical Guide to SysMLだけ読んでおけばなんとかなった、だからSysML MBAも何とかなるんじゃない?という考え(私だ)は大間違いです。SysML MBIまでは試験範囲がSysMLだけだからそれでいいですが、SysML MBAではSysMLの他にUML Profile to MARTE、UPDM、SysML-Modelica Transformation、ReqIF、OCLも範囲に入ってくるのでこれらの規格も見ておく必要があります。
あ、でもSysPhSは知ってるからSysML-Modelica Transformationはやらなくていいや、という考え(私だ)は、甘いです。SysML-Modelica TransformationとSysPhSはModelica連携という点では同じだけど中身の思想がかなり違う。SysPhSの方が後発だが実はSysML-Modelica Transformationの方が凝った作りなのでちゃんとみておかないといけません。
じゃあA Practical Guide to SysML読んで、対象の試験範囲の規格を一通り見ておけばいいか、というと(私だ)、それでは足りません。MARTE、UPDM、SysML-Modelica Transformationなどに関連した「MBSEメソッド」についての問題(とうぜん規格には書いていない)が出るので、参考文献も見ておきましょう。
参考文献はEXAM INFO SHEETのRECOMMENDED STUDY MATERIALSに載っているので、それらを見ると良いです。昔だったらこんなに沢山英語読めないよ、と挫折する人(私だ)もいると思いますが、今ならAIに喰わせて「要約して」っていうだけで概要理解できるからね、便利な世の中ですよ。
SysML MBIまでとSysML MBAでは必要な勉強量でかなりの差があると思います。昔だったら挫折したかもですが、今はAIという強い味方がいるからなんとかなりました。ありがとう、AI!
出題の傾向は?
「こんなのリファレンス見ればいいじゃん」というどうでもよい知識問題が2割くらい、用語の意味を問われる問題が2割くらい、MBSEの事例で適切な方法や方針、順番などを問う問題が6割くらいの印象でした(問題数を数える余裕はななったのであくまで印象です)。
事例問題では「優先順位つけられないよ」とか「ケースバイケースじゃない?」と感じる問題が沢山あると思います。こういう問題で「俺はこのやり方が好み」というような個人の趣味や実務的感覚で回答する(私だ)とダメです(当然ですが・・・)。ちゃんと標準的な手法や主流のMBSE思想に沿って回答しましょう。じゃあ何が「標準」で「主流」なんだよって話になりますが、EXAM INFO SHEETのRECOMMENDED STUDY MATERIALSに載っている論文が主張するMBSEの思想やメソッドが「標準」で「主流」だと考えればよいです。実際これらの論文はどれも良い論文で、内容は正に「王道」と言えるものなので、これらに沿って回答するのがベストです。
この試験は受ける価値があるのか?
もうSysML V2が出たっていうのに、今更SysML 1.2や使う予定のないSyML-Modelica TransformationやUPDMの勉強しなきゃならんし、その上人気もないし就職や仕事でも大して使えないしで、この試験は4万円も出して受ける価値無いんじゃないか、と思う人は少なからずいると思います。私も人に受験を勧めるかと言えば、勧めないと思う。
ただ価値が無いかと言われれば、そうでもないと思う。少なくとも試験のための勉強は役に立つ。MARTEやUPDMなどの規格内容や、それらの規格の思想的な元となったRECOMMENDED STUDY MATERIALSの論文を通して見ることで、MBSEの思想や方向性が理解できるし、それはSysML V2に繋がっていきます。慣れ親しんだUMLから離れて却ってわかりにくくなったように感じるV2ですが、よりMBSEの思想に近づけるために必要な変化なのだな、と試験勉強を通じてV2の理解が深まった気がします。
勉強だけすればいいじゃん試験受ける必要はないと言われれば、そうですけどね。個人的には勉強する良いきっかけになりましたという話、受験費高いから真剣になるしね。
ちなみにAI(Copilot)に「試験のための模擬問題作って」とお願いしたけど、全然ダメでした。世の中に例題が殆ど転がってないからでしょうね。問題を解くことに関してはスーパーなAI君ですが、問題を作る(&紛らわしい間違い選択肢を作る)ことはまだ難しいようです。


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