架空チームの編成について

2022年3月20日

プロ野球ペーパーオーナーゲーム 目次

ルール解説

※2021.11.22 打者の必要打席数のルールを変更しました。

投手のことを話すとき、「イニングイーター」「ローテーションの谷間」「敗戦処理」といった言葉があります。使いどころや印象は違いますが、3つとも「イニングを消化することでチームに貢献する投手」という意味で共通しています。野球は「9イニング消化すること」が試合の成立条件なので、1シーズン143試合で1287イニング分の投手を揃える必要があります。しかし投手の分業化や球数制限が一般化した現代の野球では、必要なだけの投手を揃えるのは非常に難しい課題なのです。エースピッチャーだけではチームは成立しません。「ローテーションの谷間の投手」や「敗戦処理の中継ぎ投手」もチームを形作る上で必要な戦力なのです。

プロ野球チームの編成は、単にベストナインを選ぶこととはちょっと違います。1シーズン143試合を戦いきることを考えると、スターじゃないけどチームに欠かせない選手たちがいることがわかります。

架空チームの成立条件

プロ野球ペーパーオーナーゲームにおける架空チームの編成の基本は、1シーズン分の戦力に相当する、1287イニング分の投手と約5000打席&約5000刺殺+補殺数分の野手を揃えること、です。例えると架空チームは必要イニング数や必要打席数分の「空箱」で、そこに現実世界の選手を詰め合わせて自分好みのチームを作るようなイメージです。

投手の編成

投手の編成は図1のようなイメージです。

架空チームの必要イニング消化のイメージ1
図1(a) イニング数消化のイメージ
架空チームの必要イニング消化のイメージ2
図1(b) イニング数消化のイメージ(消化したイニングが必要イニングを上回った場合)

チームの必要イニングに対し、ドラフトで獲得した選手が消化したイニングを割り当てます。獲得した選手の消化イニングの合計が必要イニングを下回った場合は(図1(a))、残ったイニングは 二軍レベルの選手(代替選手と呼びます)がプレーしたと見做します。 逆に獲得した選手の消化イニングの合計が必要イニングを上回った場合は(図1(b))、割り当て順の最後の投手の、必要イニングを超えて投げた分の成績はチーム成績に反映されません(割合に応じて成績の数値が減らされます)。

打者の編成

打者も投手と同様、チームの必要打席数に対してドラフトで獲得した打者が立った打席を割り当てます。但し打者の必要打席数は打順ごとに設定してあり、1番打者が一番多く、9番打者が一番少なくなります。必要打席数は図2のようなイメージです。

図2 打順毎の必要打席数のイメージ

打者も必要打席数に達しなかった分は、二軍レベルの選手がプレーしたと見做します。消化した打席のうち必要打席数を超過する分は成績に反映されない点も投手と同じです(例外:1番打者のみ超過した分も反映されるものとします)。控え野手は最大3種類のポジションを登録でき、複数ポジションの打席を消化することができます。スタメン同様必要打席数を超過する分は成績に反映されません。刺殺+補殺数については、イニングを消化した投手/打席に立った選手の刺殺+補殺数を合計します。合計刺殺+補殺数がチームの必要刺殺+補殺数に達しなかった場合、不足分は代替選手がプレーして稼いだと見做します。イニング数、打席数、刺殺+補殺数の条件を表1に示します。

図3 打席数消化のイメージ

表1 チームの成立条件

 
(打撃)
打席数
(投手)
投球イニング数
(守備)
刺殺+補殺数
1試合あたり

4.71(1番) ~ 3.82(9番)

9 37.82
1シーズンあたり 673(1番) ~ 546(9番) 1287 5408
代替選手の成績
0.022得点/打席
0.84得点/試合
120得点/シーズン
0.766失点/イニング
6.90失点/試合
986失点/シーズン
0.016失点/守備機会
0.6失点/試合
86失点/シーズン

※必要打席数、必要刺殺+補殺数は2013~2021年NPB12球団の平均値を採用

ゲームでの出場登録選手は25名、バランスよく選手を獲得しないと、必要な打席数、イニング数全てを消化することは難しいです(大抵どこかのポジションが足りなくなります)。選手のチームへの貢献度は(代替選手との能力差)×(イニング数or打席数)となるので、防御率がソコソコでも「イニングイーター」な投手はチームに大きく貢献したことになります。規定打席ギリギリの三割打者よりも、2割8分でフルイニング出場した選手を獲得した方がチーム成績が良い、ということもよくあります。また、複数ポジションをこなせるユーティリティプレイヤーが控えにいると、効率よくチーム力を底上げできます。チーム編成を1試合の強さだけでなく、143試合戦いきるための戦力を揃えることと捉えると、こういう一見地味だけどチームに貢献している「隠れ優良選手」が見えてきます。

参考:【プロ野球POG】POGリーグの適正チーム数は何チームなのか?

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