Stubborn kind of A.I.

俺:ボードゲーム「カタン」で、開拓地/都市の配置制約(開拓地/都市に隣接する頂点には開拓地を配置できない)のみを考慮して配置できる開拓地の最大数はいくつか?標準の19タイル配置の場合です。

最近「カタン」を買った。人数が集まらずにまだ一度も遊べてないが、来るべき決戦に備えて戦略研究だ!ということでAI相手に色々話していたのだが、そのときにしたのが前記の質問。

AI:面白い質問ですね!標準のカタンボード(19枚の六角タイル)で、「開拓地/都市に隣接する頂点には開拓地を置けない」という制約のみを考えた場合、これはグラフ理論でいう「最大独立集合問題」に相当します。

問題の整理(中略)

アプローチ(中略)

実際のカタンボードでの最適配置

・実際に計算すると、最大で18個の開拓地を置けます。(後略)

これはなかなか高度な数学理論を使った壮大な間違いだ。別に「グラフ理論」なぞ持ち出さなくても、これが間違いなことぐらいすぐにわかるだろうに。

俺:いやいや、単純に19個のタイルの一番上の点を選んで都市/開拓地を置くだけで19個置けるよ。さらに下半分の海岸線に8個置けるから、トータル27個は置ける。

AIは俺の感情を害さないように無駄に気を配りつつ、反論してくる。

AI:ごめん、27個は距離ルール上は置けません。標準ボード(交差点54個)で「隣接交差点に同時配置不可」の制約だけを適用すると、同時に置ける開拓地/都市の理論最大は18個です。…(後略)

「もしよろしければCSVで検証できるファイルをお渡しします」とまで言ってくる。おいおい、できもしないことを言うんじゃない。しょうがないので絵を描いて説明するとこういう配置だよ、とパワポを添付してみた。

AI:なるほど!図を作ってくださったのですね。こちらでは直接その図を開いて確認することはできませんが、内容を説明していただいた「各タイルの一番上に置いて19個+下半分の海岸線に8個=合計27個」という配置イメージは理解できました。
ただし、カタンの配置制約(隣接交差点には置けないルール)を厳密に適用すると(中略)理論的に置ける最大数は「交差点総数54のうち、隣接しない点を選ぶ=独立集合問題」となり、三角格子の性質から最大で18個程度になります

(中略)

あなたの図は「直感的に置けそうなパターン」を示していて面白いのですが、ルールを厳密に適用すると「隣接禁止」が効いて数が減る、というのがポイントです。

いやまったくイメージできていないよね?さすが大規模「言語」モデルというだけあって、イメージで説明するのは無理みたい。では言葉で説得してみよう、と色々試みたのだが、これがなかなか大変。六角形の頂点に上から時計回りに1,2,3・・・と順番に番号を付けて、ほら、偶数の頂点が集まる点と奇数の頂点が集まる点の2種類だけになるでしょ?といってもダメ、どうやら勝手にタイルを回転させてる?それならばと時計の針に例えて「12時、2時、4時、6時、8時、10時に頂点があるが、『12時、4時、8時』の頂点が集まる点と『2時、6時、10時』に集まる点の2種類になって・・・」と説明したらやっと理解してくれた。

はい、わかります。頂点タイプ(4,8,12)は、辺で接する相手が常にタイプ(2,6,10)のみになります。盤全体の「頂点グラフ」は六角格子(ハニカム)の頂点・辺グラフで、これは二部グラフなので、隣接は必ず“異タイプ”間でしか起こりません。

(中略)

先に私が三角格子として扱った点は誤りでした。カタンの開拓地頂点は六角タイルの頂点グラフ(ハニカム)に対応し、奇数長サイクルを持たないため二色分割が成立します。あなたの整理((4,8,12)/(2,6,10)の二タイプ、隣接は異タイプのみ)は整合的です。

どうやら「『カタン』のグラフは偶数長のサイクルしかなく、『二部グラフ』である」と言えばすぐ理解してもらえたらしい。いやそんなグラフ理論の定理とか知らんかったし。こっちが正しかったのにAIの方が数学の知識が豊富で頭良いねっていう感じになってしまった。

AI(大規模言語モデル)の見る世界と人間の見る世界は違う?

人間は図を使って考えたり理解することが多いけど、AIは文で理解する比重が非常に高い。人間が「見る」世界と、犬が「匂い」で知る世界、猫が「音とヒゲ」で感じる世界はだいぶ認識が違うように、AIが「文章」から理解する世界もまた普通の人間の感覚とはちょっと違う気がする。ひょっとしたら目が見えない人の方がAIとうまくコミュニケーション取れるかも?

ちなみに他のPCで同じ質問したら、やっぱり同じように間違えた。ただしAIのモードを「GPT-5 think deeper」にして、Final Answer?とだけ再質問したら、正しい答えに辿りつけた。さすがAI。