カープ「中崎劇場」を検証する
6/19のプロ野球開幕が決まり、うれしい限りです。例年通りではない今年のプロ野球ですが、カープの悩みは去年と同じ、中継ぎ不足、抑え不在です。
2020年版カープの抑えにはフランスアの名前がよく挙がりますが、中崎翔太の名前は殆ど出てきません。去年一昨年の状態を見ると厳しいかな・・・とも思うけど、ことメンタル面ならフランスアより断然中崎翔太の方が抑え向きでしょう。中崎曰く「ランナー出ただけでやいやい言う人も多いですけど、そういうスポーツではないので、点をやらなければいいので」・・・素晴らしいメンタルの持ち主です。見ている方は胃が痛くてしょうがないのですが。
では中崎翔太は本当に「ランナーを出しても点はやらない」ピッチングを有限実行したのか?私の胃袋は実行したと言っていますが、実際にデータで検証してみました。
「思ったより失点しない」度合いを示す、中崎度を作る。
このウェブサイトで紹介しているプロ野球ペーパーオーナーゲームでは、プロ野球公式記録の投手成績から失点を予測しています。公式記録に下表の係数を掛けることで予想失点を出すことができます。
安打 | 本塁打 | 四球 | 故意四球 | 死球 |
---|---|---|---|---|
0.564 | 0.892 | 0.332 | -0.165 | 0.332 |
三振 | 打者-安打-四球-死球-三振 | 併殺 | エラー | |
-0.105 | -0.105 | -0.374 | 0.628 |
これを使って、「ピンチになったけど、なんだかんだで思ったより失点しなかった」度合いを示す、中崎度を作ります。中崎度が高いほど、思ったより点を取られなかったことになります。
(中崎度)=(予想失点-実際の失点)/(投球回)
これを代表的な抑え投手の 2015~2019年成績で計算してみました。
データでも中崎翔太は点を取られそうで取られないピッチングをしていたことがわかります。中崎翔太の凄いところは、これを「狙ってやった」ことです。少なくとも本人はそう言っています。公式記録やセイバーメトリクスでは見えない強さを中崎翔太は持っているのです。多分。
今回計算した抑え投手データ(2015~2019年の通算成績で計算)
失点/投球回 | 予想失点/投球回 | 中﨑度 | 投球回 | |
山﨑康晃 | 0.311 | 0.292 | -0.018 | 294 |
森唯斗 | 0.334 | 0.359 | 0.025 | 298 |
石山泰稚 | 0.407 | 0.398 | -0.008 | 301 |
増田達至 | 0.321 | 0.300 | -0.021 | 291 |
サファテ | 0.171 | 0.101 | -0.070 | 198 |
マシソン | 0.343 | 0.335 | -0.008 | 261 |
澤村拓一 | 0.321 | 0.406 | 0.084 | 232 |
ドリス | 0.345 | 0.249 | -0.095 | 205 |
鈴木博志 | 0.541 | 0.561 | 0.020 | 74 |
岡田俊哉 | 0.379 | 0.367 | -0.012 | 199 |
中川皓太 | 0.448 | 0.470 | 0.021 | 128 |
藤川球児 | 0.348 | 0.324 | -0.024 | 228 |
松井裕樹 | 0.256 | 0.252 | -0.004 | 321 |
増井浩俊 | 0.307 | 0.362 | 0.055 | 308 |
益田直也 | 0.359 | 0.372 | 0.013 | 269 |
秋吉亮 | 0.347 | 0.326 | -0.022 | 278 |
内竜也 | 0.316 | 0.325 | 0.009 | 160 |
石川直也 | 0.390 | 0.424 | 0.033 | 152 |
ハーマン | 0.336 | 0.344 | 0.007 | 145 |
田島慎二 | 0.406 | 0.406 | 0.001 | 245 |
カミネロ | 0.415 | 0.452 | 0.037 | 81 |
フランスア | 0.329 | 0.318 | -0.012 | 136 |
中﨑翔太 | 0.296 | 0.369 | 0.072 | 292 |
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